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NTT西日本のトンネル状の設備「洞道(とうどう)」では、固定電話やインターネット回線のケーブルが壁沿いに敷設されていた。名古屋市中心部の地下およそ25メートルの地点で

 全国の主な都市部の地下深くに、NTTの固定電話やインターネット回線などの通信網を支える秘密のトンネルが張り巡らされている。幅と高さがそれぞれ数メートルほどの「洞道(とうどう)」と呼ばれる細長い空間は、壁沿いに何本ものケーブルが連なる。震度7の地震の揺れにも耐えられる構造で、大きな災害から通信網を守る役割も果たしている。

 洞道の長さは全国で計650キロに及ぶ。このうち45キロが通る愛知県でNTT西日本が見学会を開いた。保安上の理由から場所は非公開で、NTTの社員も限られた人しか入れない。県内ではおおむね3メートルから40メートルの深さにあり、電気やガス、水道などと共用のところもある。

 案内された洞道の入り口は、名古屋市のビルの地下にあった。ヘルメットをかぶり、防水対応の扉から入って、100段ほどの階段を下りる。25メートルほど潜った「地下8階」は人が1人歩けるくらいの幅で、出口の見えないトンネルになっていた。所々に照明があるが、ふだんは真っ暗。人が入るのは点検などに限られる。ゴムジョイントなどを設置して、地震の揺れを吸収する構造をとっている。

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固定電話やインターネット回線のケーブルが通るトンネル状の設備「洞道(とうどう)」に向かう入り口。保安上の理由から、場所は非公開だ=名古屋市

 ケーブルは大小2種類。外径4センチあまりの太いケーブルは固定電話用の銅線。外径2センチあまりの細めは光ファイバー用だ。NTTの施設間をつなぎ、携帯電話のデータ通信も基地局間はケーブルに頼る部分がある。防火服のような生地の耐火カバーがぐるりと巻かれ、昭和や平成初期の年代が記された太いケーブルもあった。

■40年前の世田谷ケーブル火…

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